岩波文庫・中野好夫 訳・1979年12月刊行
美の錬金術師ポオ(1809―49).その美への情熱は精確無比な計算と設計にもとづいてあらゆる作品に発揮されており,読者を怪奇な幻想世界,異常心理の世界へと抗いがたく引きずり込む.ポオの作に傾倒した若きヴァレリはあの「数学的アヘン」を決して忘れることはできぬ,と言った.表題作のほかに「ウィリアム・ウィルソン」「裏切る心臓」「天邪鬼」「マリ・ロジェエの迷宮事件」「盗まれた手紙」.(以上、岩波書店HPより)
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モルグ街の殺人事件
言わずと知れた名作である。
「ルパン」ではなく「デュパン」である(笑)。
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厳密には違うのかもしれないが、推理小説の元祖であり、密室殺人を扱った推理小説の元祖でもあると言って間違いないだろう。
古典であるのに軽やかで読みやすく、知的であり洒脱である。
翻訳も達者なのだろうな。
推理小説の元祖にして、完成度や、何より犯人の意外性は瞠目すべきものがある。
「エドガー・アラン・ポーがいなければ、小説はつまらないものになっていただろうなぁ」と実感させてくれる逸品だ。
盗まれた手紙
「木を隠すなら森の中」とか、PKの場面であえて真ん中にシュートしてゴールする演出とか……そういったパターンの元祖である(頭の悪い説明)。
しかし、元祖にしてこの読みやすさとおもしろさは……つくづく感心する。
現代の推理小説だけではなく、漫画・アニメ・ゲームにいたるまで、エドガー・アラン・ポーが創り出したギミックやアイデアは今なお存分に活用されているのだ。
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