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アート業界とはどんなもの?
アート業界を扱った書籍としてはベスト級に入るのではないだろうか。
読む前から「きっと面白いだろうな」とは思っていた。(私にとって、そう思える本は少ない)
なぜかというと、私が常日頃考えている「ぶっちゃけ真理」的なものを、この著者なら的確に明文化するだろうことが予想できたからだが、その予想にしっかりと応え、より強く太いものにしてくれた。
日本は芸術後進国
私はだいぶ前から「日本は芸術後進国だなぁ」と感じていたのだが、
アメリカではビジネスに成功した人たちは社会に貢献してゆく義務感を持っています。社会貢献事業には美術館支援も含まれ、芸術作品を購入して美術館に寄付するというわけです。
コレクターはいいものを購入して自分自身をアピールできる上に「寄付した作品の金額が税金控除の対象になっている」というところが重要なのです。これは日本とはまるで違います。日本では固定資産として税金徴収の対象になるものが、アメリカでは税金控除の対象になるわけで、作品売買がさかんになるのも当たり前です。
上記の節を読んで、まさに正鵠を射る思いをした。
現代アートで評価されるには
作品を意味付けるための世界共通のルールを、「世界で唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ、発表すること」と著者は定義した。
精確だ。キレ者だな。