愛の話

新潮文庫で平成16年時点で83刷も重ねている。

こうして読み継がれている古典はいいものだなぁと思いながら読んだ。

同性愛の文脈が組み込まれている。

女性の読者も多かろうと思うが、別にそれだけが要因でもないだろう。

乳白色の文体

美しい文体だ。

三島由紀夫的・谷崎潤一郎的美文ではなく、現代の小説にフィットしている美文だ。

昭和30年より前の小説なのだからすごいものだ。

確かにちょっとバタくさいところもあるけれども(田中英光と似たものを感じる)、この先も静かに、読み継がれていくだろう。