ちくま文庫・志村正雄 訳・2010年4月刊行

「謎の巨匠」の「探偵小説」仕立ての、暗喩に満ちた迷宮世界。ある夏の日の午後、主人公エディパは、大富豪ピアス・インヴェラリティの遺言管理執行人に指名されたことを知る。偽造切手とは?郵便ラッパとは?立ち現われる反体制的なコミュニケーションの方法とその歴史。短編「殺すも生かすもウィーンでは」を併録。暗喩読解のための解注も増補した。(以上、筑摩書房HPより)

最も現代文学らしい現代文学作品

長さも中編と呼べるくらいだし、現代文学に触れてみたいという人には最高の入門書だろう。

誇大妄想、陰謀論が飛蚊症的に綴られる

もっとも、これで気に入ったからといって『V.』や『重力の虹』に挑戦する気は私にはないが……。